2009/11/10
スピニングガレージのキャリアカーを借りて、埼玉・日高のスタイマーからスピニングにクルマを運んで数日後、オグラは再びスピニングへ。運び込んだ’88のRV型をベースにした、“FGXプロジェクト”を具体化するべく、スピニングで手直しをスタートさせようというのだ。

このクルマはちょっと不思議なクルマだった。’88モデルということは、一時抹消 の書類で分かっていたが、’88にボディカラーがブラックという標準モデルはなかっ たように思うし、それにメーターパネルは初期型のもので、スピードメーターの下に 水温計と燃料計が並ぶタイプ。運転席には後期CLiのシート、それも4ドア用が取り 付けられていて、後席には前期CLiのシート。どちらも、年式からいって、とてもオ リジナルのものとは思えないもの。なんだ、コレ? という感じ。いってみれば、素 性を知るポイントがないのだ。だからといって、このクルマを捨てようとは全然思わないが……。

しかし、スピニングの田中さんは、このクルマのシャシーナンバーを確認して、一 発で素性を明らかにした。田中さんによれば、このクルマは’88年に登場したリミ テッドエディション。ヤナセがVW輸入35周年を記念して発売したモデルだった。翌 ’89年の登場した限定仕様、WOブラックのハシリみたいなものだという。だから、CLi とはいえず、あくまでも、’88リミテッドエディションというのが、このクルマの正 式名称になりそう。ウーン、そうだったのか。
まず、取り組んだ手直しは、サスペンション交換だ。このクルマ、妙に車高が高 かったのである。

調べてみると、なんとゴルフ3の純正のサスペンションが装着され ていた。3より車重の軽い2に、3のサスペンションでは車高が高くなるはず。なに をどう考えて3のサスペンションを付けたのか? そこのところはよく分からない が、とりあえずは、サスペンションをノーマルに、あるいはもう一歩進めてやや低い 車高が得られるスポーツサスペンションに交換しようと、スピニングの田中さんに相 談する。すると、田中さんは工場の奥のストックヤードからザックスのパフォーマン スセットを取り出してきてくれた。もちろん、ユーズドである。これなら、車高も適 度に下がる。

サスペンション交換をやってくれたのは、スピニングの中西メカだ。この作業、中 西メカにとってはもう何度も何度も繰り返しやってきたことで、ビフォア・ブレック ファースト。サクサクと進めてくれる。装着されていた3のサスペンションを外した 段階で、それをザックスのパフォーマンスセットと比較、状態のよかった3のリアの アッパーラバーやバンプラバーをザックスに付け替えるという気遣いも見せつつ、テ キパキと作業。装着後はキャンバー調整、そしてタイヤ&ホイールを取り付けての トーイン調整と、滞りなく進んでいった。本当なら、次にテスト走行をするところだ が、なにせこのクルマはナンバーなしの状態。ここで、作業は完了ということになった。

と、オグラが次にトライさせてもらったのは、外観を一応整えることであった。どうい うことかというとーー。  このクルマは、昔懐かしいRSバンパーが装着されていて、リアバンパーも後期型の ビッグバンパーとなっていた。ナンバーなしで自走はできず、スタイマーからキャリ アカーで運ばなければならなかったため、それらを一旦外し、4灯式のグリルととも に室内に放り込んでいた。室内には、前オーナーが用意したと思われるヘラー製のカ ラーレンズ(ブルー)のセットもあった。前オーナー氏、基本的には、かつて大流行し たニュルルックを目指したモディファイを施していたようで、ならば、その意向を汲 んで一度はそれを再現して見ようと思っていたのだ。車高が下がったこともあるし、 おそらくはこれが前オーナー氏が走らせていた時の状態というところを見てみたかっ たわけだ。

バンパー装着、またレンズ交換の作業をやってくれたのは、安達メカ。もちろん、 チャチャッと作業は進んで、たちまちニュルルック風のゴルフが姿を現す。リフトか ら降ろして、工場の外に出してみると、これがなかなか……。

低くなった車高にRSバンパー、それにブルーのカラーレンズを装着したその姿は、結構スゴ味があって、いかにもヤンチャ。もし、オグラがアラカン(アラウンド還暦) ではなく、20代前半だったらブイブイいわせて乗ってみたくなるようなスタイル。 もっとも、OZホイールにスタッドレスというミスマッチはなんとかしなくてはならない。これだったら、ディープリムのCUPホイールがベストな選択になるはずで、それも、14インチがいい。とまあ、勝手に妄想したりするのである。

さて、ちょっと寄り道させてもらったが、次回はGX風にするためのパーツを、頑張って揃えてみたいと思う。

小倉正樹

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