自分にとっては、ホントに楽しい、実りのあるレースでした、今回のゴルフカップ。
ゴルフカップ参戦観戦関係者のかた以外には、全然わけのわからない文章ですみません。あぁこいつよっぽど楽しかったんだなーくらいに思っていただければと思います(^^;;
今年レギュレーションが変わって、一番熱いバトルになりそうなT3クラスで、ゴルフカップ1のドラテクマスターこと奈良原さん(ゴルフ3GTI)と初の直接対決をしよう、と、スピニングガレージの練習用カップカー「ころがり君」で、エントリーしました。
ころがり君は、ゴルフ2のGTI-16vにパサート用の2リッターエンジンを積んで、あとは市販のパーツをつけたり、軽量化しただけの、ナンバー付きのお手軽最速仕様。えっちんがーZ号がワンオフ加工やスペシャルパーツを使っているのに対して、ころがり君は普通に買える部品だけで構成されています。ガンダムに例えると、えっちんがーがシャア専用ザクとすると、ころがり君は量産型ザク。それか、ガンダムとジムのような違いでしょうか。
気軽に乗れて楽しめて、しかも速い、おもしろい。そんなところを狙って作っている車です。
(せっかくなので、ころがり君の仕様詳細は、近日中にうちのホームページのデモカー紹介のところにUPしようと思います)
奈良原さんはこれまでのベストラップが8秒台、対してころがり君は前回のカップ走行会でネオバを履いて10秒6。ということは、Sタイヤはけば9秒台前半、アライメントを僕好みに調整してブレーキパッドもZZDの高級品を入れていけば、ギリギリ8秒台乗るかどうか、というところ。うまく8秒台に乗せる走りができれば、奈良原さんと勝負ができるかもしれない。
フリー走行はうまくクリアなポジションを取れず、セッティングの手直しもできず若干あせりましたが、予選では奈良原さんの後ろにつけて、しかもうまいことクリアを取れたので、本気アタックでなんとかホントにギリギリ8秒台に乗せることができました。これで今日の目標を一つ達成。
あとは本選の組み立てで、どう勝負するか。
とはいえグリッド順でいくと、総合4番手の奈良原さんと、総合7番手スタートの僕の間にはT2クラスの田中さんと村越さんの2台が。それと、奈良原さんの前には、T3クラスポールの、シュポルト東さん(ゴルフ3CLi改16v)がつけています。
トップの2台、石川さんと植木さんはクラスも違うしタイムも7秒台なので、スピンでもしなければからむことはないだろうし、石川さんの腕と性格からいってもそれはない。ということでそこはまったくないものとして考える。
東さんとは、約1秒近いラップタイム差があり、車の性能差も歴然としているので、12周の本選ではよほどのミスか番狂わせがないと覆せない。ただ東さんに対しては、奈良原さんが本気で勝負していくはずなので、もつれてくれれば終盤まで離れないかも。
奈良原さんとのラップタイム差は0.2秒。いずれにしてもそう離れることはないはずなので、序盤で前に出れなければ、勝負のポイントは終盤になるだろう。
奈良原さんとの間のT2田中さん(ゴルフ4C18T)と村越さん(アウディTT)は、クラスが違うので混戦になると厄介。できることなら、スタートから一周目のインフィールドまでで抜いて抑えて、僕の後ろで一集団を形成してもらっている隙に逃げてしまうのがいいだろう。それがだめなら、勝負どころでスリップを使わせてもらえれば、それはそれで奈良原さんにいざというときに追いつける。あわよくば、さらに奈良原さんの前に出て抑えててくれれば、その分詰まって僕も勝負をかけられるポイントが増える。いずれにしてもこの2台とのポジショニング次第で、僕の仕掛け方は変わってくる。
そんな妄想をしながらスタートへ。
車体が軽いゴルフ2は、スタート有利。好スタートが切れて、村越さん田中さんと、スタートに失敗した東さんをまとめて3台抜いて奈良原さんの後ろにつけた。ラッキー!
でもさすがに、奈良原さんのテールToノーズまでは届かない。しかもすぐ後ろには田中さんがはりついている。C18Tはパワーがあるので、インフィールド区間で相当差をつけておかないと、確実に裏ストレートでパスされてしまう。ここで奈良原さんとの間に入られてしまうと吸収できなくなりそうなので、必死で逃げる。裏ストレートは大丈夫だったが、最終コーナー~メインストレート~1コーナーであやうく並ばれそうになる。が、ブレーキングでは軽いゴルフ2のほうが数段有利。なんとか抑えることができ、そうこうしているうちに東さんがあがってきて、田中さんをパスして僕の後ろにつけてくる。これでとりあえず対田中さんの懸念材料はクリア。
現時点では、奈良原さんが単独で逃げていて順当に走れば追いつけそうにないことは、この1~2周でわかった。奈良原さんは後ろから突っついてもメンタル面が強いので動じるような人ではないし、ころがり君との各コーナーの速度差も把握しているはずなので、仮に並ぶことはできても抜くのは難しいと、ばれているはず。というわけで、ここはすぐに裏ストレートで東さんに譲って、最終~メインストレートはスリップを使わせてもらって引っ張ってもらって、東さんが奈良原さんをつつき始めるのを見ながらその後ろにつく。何にせよ、奈良原さんと僕との距離が縮まることが、最重要。そのためなら、途中で他の車が割り込んでくることは何も問題ない。
本選前に、今回はお休み見学の粟根さん(アウディTT)に、上位の中で一台だけゴルフ2で軽いんだから、12周あればハイパワー重量級の車とのタイヤのタレ方の差ははっきりしてくる。終盤に必ずチャンスはくるよ、と言われていた。なるほど、流石、重いTTで表彰台常連さんならではの視点でのアドバイス。
そのアドバイスを受けて、東さんをうまくからめて奈良原さんとの終盤の勝負にかける作戦を考えた。
東さんと奈良原さんのラップタイム差は0.7秒。奈良原さんは安定した足回りのよさで、ラインも自由度が高いが、エンジンパワーはころがり君とほぼ同じくらい。4ドアのゴルフ3なので、重量は重め。対して東さんは、2ドアのゴルフ3に軽量化とパワーの出ているエンジン。一発のタイムが出る仕様な反面、かなり後ろ足の姿勢が不安定で、ベストなラインと荷重を外すとロスが大きく、競り合いでの自由度は少ない。
一度東さんが前に出れば、あとはじりじり離れるだけだろう。しかし、T3優勝が見えているだけに、奈良原さんはあらゆる手を尽くしてディフェンスするはず。現時点での残り周回数は8周。普通に考えると抑え続けるのはほぼ無理なはずだが、東さんの足の不安定さだと攻めきれない可能性が高いし、ミスも出そう。奈良原さんもおそらくそこに賭けてディフェンスしつづけるだろう。
そういった本気ガチバトル状態になると、ベストラインを外すのでタイムも落ちるし、タイヤグリップも酷使するため、その後ろを置いていかれないようについていくのは比較的楽。ころがり君はタイヤを温存、油温も比較的温存しながら、東さんが前に出るときを待つ。
その間にも、東さんが一回ラインを大きく外しシフトミスをしたときに、前に出させてもらったが、まだ奈良原さんとの差は縮まりそうにないので、もう一度裏ストレートで東さんに譲りながら最終コーナーに並んで入って、半周ほど東さんのスリップをもらった後、再度二人のバトルの後ろにつく。
ころがり君は、パワーは並みで、足もフツーのクラブマンパック車高調。でも、2台のゴルフ3に比べると圧倒的に軽い。勝負をかけるのは最後の2周でいい。仮に奈良原さんの前に出ても、抑え続けるのは、2周が限界だろう。それまでは、温存あるのみ。
そうこうしているうちに、村越さんTTが迫ってきた。
村越さんのストレート後半の加速力なら、僕を抜いたすぐ後で、前の二人を同時に抜きにかかるだろう。そのときが、順位の入れ替わるヤマ場になるかも・・・と考えて、また裏ストレートで抜いてもらって、その後のスリップにつかせてもらう。
案の定、そのすぐ次の周の最終コーナーで2台を一気に抜きにかかり、目の前の3台はほぼ並んだ状態で最終コーナーに入っていく。ここでうまく村越さんが2台を抜いてくれれば、その後の1ヘア~2ヘアの区間は重いTTに塞がれて東さん奈良原さんともに踏めなくなる。そこをうまく突いてパスできれば、T3クラス優勝もあるかも、と少し妄想が膨らみすぎたが、いきすぎた漁夫の利的な根性は実るはずもなく、東さんは村越さんをなんとか抑える。
さあ、これで、残りの終盤、奈良原さんと一騎打ち!
ラスト2周で、アンダーステアがかなり強くなって攻めきれない奈良原さんの突っ込みのミスをついて、2ヘアでぴったりくっついて立ち上がることができたので、裏ストレートでスリップ使って最終コーナーに並んでインから入る。その後は、温存していたタイヤをフルに使ったディフェンスラインで、なんとかチェッカーまで奈良原さんを抑えきることができた。
完全に実力でもぎとった勝利ではありませんが、挑戦者の戦い方で、最大限の結果を引き寄せるレースができて、あぁ、オレ10年以上ゴルフカップやってて良かったな~ってしみじみ思いました。
そのときその瞬間に自分の持っているものをフル動員した勝負で勝てたので、表彰台で「今日はこれまでのゴルフカップの中で一番嬉しい勝利です!」って話したら、東さんに、「優勝したのはオレなのに、なんだか優勝コメントみたいだよね~」ってツッコまれてしまいました(^^;;
今回のレースは、見ている人にとっても、すごく楽しかったそうで、いろいろな人から、見てて興奮した~、とか面白いレースだったね~、と言ってもらえて、すごく嬉しかったです。
これも、ゴルフカップの「良識あるガチバトル」としての風土が、根付いているからですよね。僕も、レース中にこれだけのコミュニケーションをとりながらのバトルは、よほどの信頼関係がみんなの間にないとできないな、って思います。
改めて、ゴルフカップというすばらしい遊び場の仲間に、感謝とリスペクトです。
次回は、もっと面白いところを見つけてどう引っかきまわそうか、いろいろ考えてしまうとビールがおいしくてしょうがないっす。今度は5月9日、丸一日でレースも走行会も同時開催なので、よりいっそう参戦もギャラリーも多いです。力はいりますね~。
ゴルフカップなかたがた、5月もよろしくお願いします!!!

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