「一見さんお断り」って、この言葉、敷居の高さを表すものとして知られていますよね。
僕は昔からなんとなく、この言葉が好きじゃなかったんです。別にわざわざそんな尊大なこと前面におしださなくったっていいじゃん、って。
でもさっき、京都のことがのっている雑誌を見ながらお茶漬けをすすってたら、ふと突然、この言葉の別の意味というか、意図するところが頭の中にわいてきました。イメージが突然脳内に降ってくるというか何というか、そんな感じで。
店をやる側としては、もちろん全てのお客さまに最高のサービスを、というのが理想ですし建前ですが、どのお客さんにどんなサービスが最高なのか、ファーストコンタクトからそれを全て把握するのは基本的に不可能です。
一見さんお断り、ってことは、常連になれば歓迎、ってことでしょ。
ってことは、常連になるまでの間に、どんな歓迎の仕方をしたらいいのか勉強して準備しときますから、それまではイマイチ、っていうことがあっても許してね、ってことかも、と。
お店とお客、といっても、最後は人と人とのお付き合いだとは思いますので、お店の側もお客の側も、お互いのことをよく理解してこそ、最高のサービスの担い手と受け手になれると思います。
そう思ってみると、「一見(で店の全てを評価してしまうようなお客)さん(は)お断り(させてください。長い目でみて、いいお付き合いをさせていただけるようなお客さんに、いらしていただきたいです)」という風にも解釈できますね。
そうなると、ぱっと見すご~く敷居の高そうな京都のお店を、時間をかけて攻略したくなる人の気持ちも、わからんでもない。僕はそんな緊張感のあるやりとり、疲れちゃうから行けませんけど(^^;;
関東の人にくらべると、やっぱり京都のほうは時間のモノサシが違うのかな。歴史が長いですからね。
でもでも例えばうちの店で考えてみると、遠くから初めてうちの店に来てみた、っていうお客様がものすごくものすご~くうちの店に期待感を持ってくれてて、トップページの5階建てのビルも本当にそうに違いない、っていうくらいの勢いで(笑)来たとします。
で、来てみたら、「これが店か?」っていうくらいの汚いガレージで、ちょうど昼過ぎでうちのみんなが床にシートひいてぐったり横になってトドの群れのように寝てたとしましょう。たぶんものすご~く裏切られた気がすると思うんです。期待が過度に大きかった分余計に。
まあ実際、昼疲れてみんなくたばってて(みなさんご存知の昼のあの光景ですが・苦笑)、そこに初めてのお客様が入ってきて、ものすご~く引いててそのまま帰られちゃったことも本当にあるんですけど。
でもまぁそんなことがあっても、所詮うちの店はたかだか10年ですし、どうせ最初っからゆる~い感じでのんびりやってますから、「すみません、お見苦しいところを・・・」っていう恥ずかしさくらいですみますが、何百年も続いてる老舗の場合はそうはいきませんよね。諸先輩方やご先祖様に顔向けできない、なんていうことを考え始めると仕事も手につかなくなってしまいそうです。仕事が手につかないくらいそっちのほうに気をとられていたら、心のこもったサービスどころの話じゃない。そうなると本末転倒です。
だから、もっと長~いスパンでモノゴトを考えましょう、お付き合いしていきましょう、っていうスタンスなのかしら。やっぱり歴史のある街は、しょってるものも違うのかなぁ。
すみません話があまりにもとりとめもない感じなので、気を取り直して、話を最初に戻しますと・・・(汗)、
休みの日に本当に芯からボーッッとしていると、こんな風に突然思考が覚醒する瞬間というかそんなタイミングがたまーにあるんですよね。
そういうときに、自分の頭の中はプチパラダイムシフトというか、自分の中での既成の価値観が壊れる瞬間というか、思いもしない考えが頭に浮かぶときがあって楽しいです。
昔スピッツが、
「バスの揺れ方で人生の意味がわかった日曜日」
と歌っていましたが、僕の場合、
「お茶漬けをすする音で人生の意味がわかった水曜日」って感じでしょうか。若干カッコ悪いですな(--;;
それとも僕がただの妄想癖??

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