先日の筑波9耐のためにと、オオタケさんに決戦用ホイールをオーダーしていたのが、これです。

時間がない中、間に合わせていただきまして、ありがとうございます!

おかげさまで、今回も実力以上のラップタイムをなぜか出してしまうことができました。

 

こうやって、少しずつ、お金と手間と気合いと根性をかけて結果が出るのに味をしめていくうちに、気づいてみると結構のめりこんじゃってる、というのはクルマいじりとまったく一緒ですね。

 

このホイール、オオタケさんに何度も相談したり、自分が感じることをレポートしたりしながら仕様を決めてもらったのですが、オオタケさんのお店のフェイスブックページで記事にもなっていたので、僕の覚え書きと記念の意味も含めて、ちょっと転載させてください。

 

 

————————————————————————–

当店の売上のおよそ半分はホイールが占めています。それも完成ホイールではなく、いわゆる手組みです(ちょっと変な語感ですがこれが一般的なので)。
主流はMTBのAM系とDHで、リアルXCはやはり完成ホイールというチョイスになりがちです。リアルXCだと車輪径が29か27.5ということになりますので、手組みで剛性を確保しながらかつ軽量という課題の両立が壁として立ちはだかります。普通のアルミリムでは大径で穴数を少なくするとリムをよほどしっかり造らないと、十分な剛性が出ません。強いスポークテンションに耐えられるリムは重い。軽いリムは穴数を増やすかスポークを太くしないとならない。客観的にはやはり完成ホイールはこのジレンマをうまく解決しているので優れていると思います。
しかし、ロードも含めてディスクブレーキということになると、リムの選択肢としてカーボンが絶対に有利になります。強くて軽い素材、しかも自由にその形や強度をコントロールできる。「カーボンで大丈夫なの」という心配はもはや昔。将来的には大径車輪、29/27.5/700Cにおいてはおそらくカーボン一択になると思います。
写真はこれから組み立てるロード決戦用。気合入ってます!

先日のロードホイールが完成しました。仕様はIndustry Nine Road Classic Hub / Sapim CX-Ray Black Spoke / ENVE Road 45 Rim 。いつもはやや丈夫めにマージンをとった車輪づくりを心がけていますが、今回は「超決戦用で!」というリクエストでフロント20Hラジアル、リヤ24H4クロスとしました。

(32Hアルミリムであっても)リムはスポークテンションによって左右に引っ張られ、わずかですがブレーキ当たり面はヘビのようになってしまいます。これはリムサイドが表面処理している製品などがブレーキ当たり面がまだらにはげてくることからもわかるかと思います。その兆候は強いスポークテンションであればあるほど、穴数が少なければ少ないほど大きく現れます。そのため「丈夫で長持ち、かつ精度よく」をモットーに車輪組立に取り組んでいる当店としては、穴数を減らすのは非常に抵抗がありました。どうしても「軽量」にこだわる方の場合は穴数を32Hそのままで、スポークを超軽量タイプ&アルミニップルをおすすめしています。
持って軽いではなく乗って軽いホイールにするためには完成状態の剛性を高めることが重要です。やわい車輪は競技やハードライディングにおいては使いものになりません。軽量でたわむ車輪よりそこそこ重量があってもビシッと硬いホイールのほうが乗っていて軽く感じるし、高速のコーナーでは狙ったラインを正確にトレースでき安心感が違います。(ついでながら、そういった意味からは今は少数派、絶滅寸前の36HのMTBリムはいいと思っています)
ということで手組みホイールで(ちゃんと剛性を確保した)「軽量」を追求するのは、なかなか難しいものがありました。ところがこのカーボンリムがそれをみごとに解決してくれました。穴数が少ないのにヘビのようにならないのです。リムそのものが剛性のかたまりのようなものなので、スポークテンションをギンギンに高める必要がありません。Sapim CX-Ray自体のはがねのような硬さもあいまって軽量なのにビシッとしたホイールになりました。精度も申し分ありません。カーボンリム恐るべし。ちなみにレース用ハイエンドカーボンリムはロード、MTB含めてチューブラーと相性がいい、というかお互いの性能を引き出せるパートナーだと思います。
気になる重量は実測フロント520リヤ690グラムでした。もうひとつ気になるのは価格ですか。

 

—————————————————————————

 

 

今の僕だと、オオタケさんが書いていることの半分くらいしか意味が理解できていないのですが、このホイールをそれなりに乗れるようになる頃には、もう少し深く理解できるようになるんじゃないかと思いますので、がんばらないと。

頭でわかって、体でわかって、それを誰かに伝えられるようになると、また面白さは広がりますよね。

まだ若い(と自分では思っている)うちに、もうちょっと自転車に乗れるようになって、オオタケさんが考えてることに素で共感できるようになりたいです。

 

 

とりあえずこの仕様、車体本体よりも、前後の車輪の価格のほうがちょっとお高いという、贅沢なことになっております。

決戦用ということでオーダーしたのですが、もう少し乗りこみたいので、しばらく普段使いしてしまおうと思います。

その後は、決戦用ホイールを使う機会を増やしてしまえばいいのかしら??うーん。

自転車のレースなんて敷居が高いと思っていたのに、この1年でだいぶはまりそうになってきてます。

 

 

クルマでサーキットを走る、ということも、踏み出してみればとても面白いですし、日常ドライブにも役にたつし勉強になることも多いし、自分の愛車と仲良くもなれるしいいことづくめなのですが、なかなかその一歩を踏み出せない人って、多いですよね。それと同じなのかなぁ。

自転車の場合も、交通事故の可能性がない場所で走れるというだけでも、サーキットに行く意味は大きいです。

 

クルマでサーキット、もっといろんな人が身近に走り始めてもらえるようにしたいなー。

HOTLINE

ピット直通電話
出られないときもあります

モバイル
ナカニシ、ヒシカワ
コバヤシ、コイソ