雪山遭難が増えていますが、命の責任は誰が取る?
2015.01.18思わず憤ってしまうニュースを見ました。これは何なんだ?普通に考えておかしい。こんな判決出るなら、救助のしくみ自体が機能しなくなってしまう。
救助を行政サービスと同じレベルでとらえてしまっている人がそれだけ多いということなんでしょうか。
何か、こういう問題を目にすると、10年後はクルマの世界でも”自動ブレーキが作動しなかったから死亡事故を起こしてしまった”という論調で社会問題化するような気がして空恐ろしいんです。
社会が便利で良いものになりすぎると、その快適な状態がインフラかのように錯覚してしまって、人間が文明に飼い慣らされて劣化して…っていう星新一のお話の世界がリアルにやってきそうな気さえしてしまいます。
でもこれ、最高裁に行ってまで同じ判決ってことはないだろうから、広く社会でこれを議論してほしいっていうことなのかもしれないなぁ。
簡単に遭難して救助される人が増えていて、行政のコストも上がっているし、被救助者へのコスト負担も増加させざるを得ない方向らしいし。
本来の山岳救助の理念からいったら、おいそれとこのシステムを動かさないように社会に警告することも必要だろうし。そんな変化球なんだろうか。
↓以下記事の引用です。
事故の経緯
09年1月31日、スノーボードをしようと札幌市豊平区の会社員藤原隆一さん=当時(38)=は知人2人と積丹岳に登り、吹雪で遭難
途中で引き返した知人らが救助を求め、救助隊は2月1日、藤原さんを発見
抱きかかえて一緒に下山途中、尾根にひさしのように張り出した雪の塊「雪庇」を踏み抜いて(隊員とともに)滑落した
隊員は藤原さんを乗せたストレッチャーを木に結びつけたが、さらに滑落して藤原さんは行方不明
翌2日、雪に埋もれた状態で見つかった
搬送先の病院で凍死と確認された
遺族が北海道警察を相手に裁判を起こす
藤原さんの両親は、救助隊が藤原さんを安全な場所に運ぶ際、進路を誤るなど救助の方法が不適切だったとして、北海道に8600万円余りの損害賠償を求めた
道警側は「極限的な状況で、救助隊員は生死の間をさまよった。非難されるものではない」などと主張
異例の1200万円の支払いを命ずる判決が出た
「救助隊は滑落のおそれがあると分かっていながら、細心の注意を払わず、合理的な方法を取らなかった」として、原告の訴えを認めました
両親の代理人によると、山岳遭難で救助隊の過失を認定するのは極めて異例
原告の両親のコメント
「警察には、どうしたら頼りがいのある救助隊になれるのか考えてもらい、二度と息子のような犠牲を出さないでほしい」と話していました
北海道警察のコメント
「主張が認められず残念。判決内容を検討し、対応を判断する」とのコメントを出した
この判決に批判が続出