ソウルギャラクシーでもおなじみ、GTI乗りでSOULNOTE社長でギタリストでオーディオ設計のカリスマで・・・って、なかなか一言で説明するのが難しい鈴木さんですが、最近だいぶ大忙しらしいです。

 

ポスターよく見たら、いつの間にか、会社名まで変わってるし。

 

当初オーディオメーカーSOULNOTEではじまって、音楽活動も会社として手掛けるようになってFUNDAMENTALブランドも作って、オーディオと音楽の垣根を取っ払いたいと言っていたのですが、2つのブランド名を使い分けるのって、結局ジャンル分けやカテゴリ化の定義づけをしてしまうこととつながるので、垣根を取り払うことを意識するほどにその垣根の場所と高さが目立ってしまうジレンマというか、そんな辛さがあったのかもしれませんね。やればやるほど、この活動はSなのかFなのか、半々なのか80対20なのかとかで、悩みが増えていってしまうという。

(でもこういうことって、最初から一つのブランドで2つのジャンルを包み込むのって難しいので、双方のジャンルからアプローチをかけて、最終的には一つにまとめるのが、いいんでしょうね。ニンゲンの脳みそが言葉の呪縛から解放されるためのステップというか。・・・・・・・・・あ、そういえばうちの、ゴルフ2専門、っていう考え方もそうですよね。ゴルフ2が好きだからやってるだけで、ゴルフ2以外の車種に対して排他的な目で見ているわけではないし、ゴルフ2以外に好きなクルマがあれば全然扱いたいし乗りたいし。今のところゴルフ2ばかりやってますが、”専門店”ってことは殊更に自分からは発信したくない。ただこれを言って自然にそれが理解してもらえるのも、ゴルフ2専門店としてこれまでやってきた経緯があるからだ、という風には理解してます。)

 

すみません話が逸れちゃいました。。

そんなわけで、オーディオメーカーとしても、FUNDAMENTALへ統一していくのは自然な流れだったんでしょうけど、アルバム出したり社名変えたり、ブランドコンセプトを練りながらの同時進行って、きっとすっげー忙しかったんじゃないかと思います。

 

 

鈴木さんっていうと、僕らがクルマを通して見ている鈴木さんはいたって真面目でまっとうで、でもちょっと変わってるお洒落なおじさんなんですけど、オーディオ雑誌等で見えてくる鈴木さんのイメージって、破壊と創造の革命児とか孤高のカリスマとか、そんな印象なんですよね。

一般的に普通の感覚でいる人が、その業界の先鋭的な感覚に染まらないままでいると、その中ではものすごく変わった人、っていう扱いをされてしまうような感じでしょうか。

 

 

 

 

僕は最近よくライブに行くようになったので、CDを買って聴く機会が激減してしまいました。若いころは、作品として完成されたものを楽しむほうが好きだったので、レコードやCDを、比較的シンプルな構成のDJ機材できちんと大音量で聴く、というのが好きだったのですが。

ライブ聴いて、CDと別人か、っていうほどヘタクソだともう全然楽しめないし、逆に、ライブを聴いていいな、と思ったミュージシャンのCDを買って聴くとこれまた別人か、ってほど音に迫力がなくって冷めちゃったり。これまではそういうのが多かったので、音楽を”この辺が好き”っていうのはあっても、どのミュージシャンが好き、とかっていうのはほとんどなかったんです。あと、もちろん好きなミュージシャンのライブで演奏自体は良くても、音響と照明が好きになれないと、もう帰る!ってなっちゃいます。我ながらめんどくさいです。

これが最近、マジックナンバーに行くようになって、いい意味で裏切られてハマッてしまったんですよね。

まぁこうなるまでの過程で、ソウルギャラクシーのみんなが近くにいたり、鈴木さん大井さんみたいにエンジニア視点で僕に聴き方を教えてくれる人がいたりして、少しずつ学べていたから、というのも影響大なのですが。

 

 

で、この、鈴木さんがNICOGIで打ち出していることって、まさに僕のそういう呪縛を解放してくれるコンセプトなんですよね。

完全なライブ録りをして、それを損なうことなく盛ることもなくそのまま聴かせるようなCDにして、またそれを損なうことなく盛ることもなくそのまま聴かせるオーディオで聴く。一見誰でも思いつきそうな”普通”のことなのに、なぜか誰もやらないこと。

誰かがどこかで、過度に自己主張をするとそのバランスは崩れてしまう。

 

 

僕らゴルフ2乗りだと、誰もがみんな肌感覚として理解している、ゴルフ2の素直で使いやすいハンドリング。

でもそれを実現するのがいかに難しいかは、その後こうしたクルマが出てきてないことからもわかります。

それと同じようなことが、音楽とオーディオの世界でも起きているんですよね。これきっと、どんな世界でも起こってるんだろうなぁ。

 

90年代後半以降、デジタルな音楽技術が発達して、生音を置き去りにするほどの進化をしましたが、聞き手の人間側の能力はこの20~30年で進化をしているわけではない。その乖離がだんだん気持ち悪くなってきたのが、2010年代だとすると、FUNDAMENTALも時代の要請かもしれません。

(デジタルな音楽技術を電子デバイスに、生音を機械的な制御に置き換えると、車にそのまんま当てはまります)

 

 

そんなことにまで思いを馳せながらNICOGIを聴くと、スピニング的にはより楽しめるはずです。

地道にロングセラーになってほしい1枚!!

 

 

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