スピニングガレージ所属のプロ格闘家、藤原敬典が参戦するZSTの大会が、2016年4月17日に開催されます。

今回はいつもとは違い、昼に開催されて、場所も新宿ですので、普段の夜の有明には行けないけど今回は行けるぞ、という方、ぜひ一緒に応援しに行きましょう!

記者会見の様子を見ていると、いつになく両者とも頭を使いながらの打撃と組みを行ったり来たりするような試合になりそうで、めちゃくちゃ面白い、いい試合になりそうな予感!

(記者会見の動画はこちらからどうぞ)

前バンタム級王者の藤原に対し、相手の加藤淳選手は、現フェザー級王者で2階級制覇を狙ってバンタム級に乗り込んできている、勢いのいい選手。

どちらも実力、実績、理論とも申しぶんなしなので、期待外れな試合にはまずならないと思います。

 

 

フィジカルにまかせて勢いでがつがつ行って、スカッと勝つこともあればあっさり負けちゃうこともあるような喧嘩スタイルの試合は、僕個人的にはあんまり好きじゃなくて、どちらの選手も技術や理論、姿勢(時には人生観さえ垣間見えるようなときも)をしっかり見ることができて、かつ試合の展開も面白くて、選手の心理戦までもがラウンドごとに少しずつ変わっていくような、そんな試合が好きです。

また、打撃、組み、寝技のどれがメインになっても、双方の選手の持ち味が見えたりすると、次からもその選手の試合は応援したくなったり、好きになったりもしますので、僕の場合「こんな展開の試合が好き」というより、「その選手の魅力がどちらも発揮されている試合が好き」なんだとは思います。

 

今回の試合は、そんな僕好みな試合になりそうなので、とても楽しみです。

 

 

 

多くの選手から「藤原の間合いで戦ったらダメ」と言われる剛腕が、藤原の最大の武器。一撃のパンチで数々のダウンを奪ってきています。

打撃主体の選手には珍しく、藤原は時間をかけて試合を組み立てていくタイプなので(だと僕が勝手に思ってるだけかもしれませんが)、ラウンドが進むごとに、”藤原の間合いで戦わざるを得ない”展開にどうやって落とし込んでいくかを狙って、将棋や囲碁のように相手選手と戦略のつぶしあいをしていきます。それも見どころ。

僕の場合は藤原を選手として、というののほかに、仕事仲間であり後輩であり友人、として見ている面もあるので、純粋に試合を楽しむというよりそういう見どころな場面では、どうしてもハラハラして心配してしまいますがw

 

 

また、一般的には「打撃しかない選手」と思われている藤原ですが、師匠のじんさんが寝技の選手なので、寝技の対応力も高いです。普段は寝技にはできるだけつきあわない、寝技で呼吸と筋力を消費しないようにのらりくらりと逃げて、立てるときに立って打撃に移行する、ということを重視してるっぽいのですが、いけるときはグラウンドでの打撃に有利なポジションをとりに行ってパウンドKOを狙うことも。

それでも本人は、できるだけ立ち技でKOしたいようですが。

でもそんな、寝技でのらりくらりと逃げながら、相手の体力を浪費させて立った後の打撃戦を有利に運ぶ展開が、判定になると裏目に出ているような気がするのは僕だけではないはず(笑)。ダウン奪っても判定負けしていることが多いのは、きっとそこらへんの印象が極端に悪い(=藤原寝技ダメだよね的なポイントでダウンの分もひっくり返されちゃう)からだと思うんですよね。

もうちょっと判定ウケする戦いの見せ方ってないのかなぁとも思うんですが、どうやら本人は判定決着は勝ちでも負けでもないと考えているフシがありそうなので、割り切っているのかもしれません。それもこの人の人生観というか、ホント中身は不器用な奴なんです。手先はすごく器用なのに。

 

 

 

 

余談ですが(検索か何かでこのページに飛んできたかたにもわかるように改めて書きますね)、”当店所属の藤原選手”、といっても、当店は道場でもないしスポンサードできているわけでもなく、普段は当店の一社員として、クルマの仕上げを担当しています。

一緒に仕事をしているとよくわかることなのですが、藤原は前職が造形家なだけあって、普通のクルマのメカニックとは違うレベルと方向性の器用さを持っていて、仕事力は超高いです。でも、マイペースなので他のスタッフにガーっと一気に仕事をパンパンに詰め込まれると嫌がります。また、納期が近い仕事が大量に押し寄せると心が折れます(笑)。

そして基本的にやさしくて、自己主張も強くないので、仕事においても俺様的な言動が全くありません。なので、アピール不足で貧乏くじを引くことも多々あります。この仕事の成果をもっと前面に出してれば、あの後こうなることもなかったんだろうに、って見ていて感じるケースも散見されます。

 

僕は格闘技の選手ではないので、選手のことを正確に理解したり評価したりすることはできないのですが、藤原の人となりを見ていて、「実力はあるのに貧乏くじ引きがち」というところが、店の仕事でも格闘家としても、共通しているのかなぁと、感じることがあります。

 

 

でも、ここのところ、藤原も選手としてはそろそろベテランと言われる歳になってきて、見られていることを意識した戦い方もするようになり、インタビューへの発言のスタンスや内容もだいぶ変わってきました。前回の斎藤選手との試合では、寝技をやらないイメージを逆手にとって、足関を決めにいってタップ寸前のところまで持っていくなど、経験値がある人ならではの戦い上手ぶりも発揮しています。

あと何年、プロの一線で選手としてやり続けるかはわかりませんが、ここからの”ベテラン的成長曲線”、”人間的な総合力が結果につながる戦い方で結果を引き寄せる”ような成長には期待したいと思います。

 

そうなるときっと、その経験が、うちの店での仕事にも活きてくるに違いない。故オグラさんに「藤原君は格闘家にしておくにはもったいない」と言わしめた藤原の仕事力は、クルマ業界でもっと名が知れた存在になってもいいと思う。

 

 

っていうかホントは、うちの仕事で先にそうやって開花してもらって、それを格闘技に活かしてもらうのが、僕の社長として一番藤原にしてあげなきゃしけない仕事なんだよなー・・・・・・orz

 

 

試合の告知しようかと思って書き始めた文章が、書いてるうちに藤原の人となりをDisりながら紹介するような文章になって、結局最終的には僕自身にそれが返ってきた感じになっちゃいました(笑)。やっぱり中途半端さが我ながら残念です。

せめて4/17 ZST50.は、全力で応援します。

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