当店藤原敬典選手が、久しぶりにプロ修斗参戦でした。

11.12プロ修斗後楽園ホール大会

去年の柏崎剛選手とのZSTタイトルマッチで敗れて以降、2試合判定負けが続いていた藤原ですが、今回は目の覚めるようなKO勝利!

フックで2度のダウンを奪って快勝でした。(イーファイトの試合記事はこちらからどうぞ。そしてKOシーン動画はこちら

 

ネットでは、今回藤原はファイトスタイルを大きく変えてきた、とも言われていましたが、実は前回の試合の前、ちょうど1年前くらいからこのスタイルに取り組んでいます。自分からテイクダウンして上を取る。

今まで、内容では勝っていても判定で落としてしまっている試合のほとんどは、テイクダウンされて下になっている時間が長いことが大きな要因になっていました。

パンチか締めでの決着にこだわってきた藤原としては、グラウンドの時間の使い方は重視せずに、相手の動きに合わせて立ち上がってまたスタンドに行く、もしその流れの中で首をとれれば締めにいく、という戦い方でした。「判定での勝敗は、ジャッジ次第なので自分は気にしない。勝敗は自分の力でつけるものなので、KOか一本にこだわりたい。”判定に有利に働くから・・・”、という戦い方はしたくない。」、と、ずっと言ってきました。

 

ただ、ZST以外の試合にも出て、金網でも戦うことになると、組みとポジションで優位に自分から流れを作ることもしよう、とこの1年取り組んできたそうです。

それが今回、自らテイクダウンもして、立っても寝ても自分のペース、という試合のコントロールができ、結果として得意のフックが当たる間合いを作りやすくできたのだと思います。その分、以前のスタイルと比べて相手の打撃をもらいやすくなったので、そこは今後の課題なのだと思いますが。(これまで、勝っても負けても相手のパンチは当たらない、という間合いの取り方のうまさが、藤原の持ち味の一つだったのですが、その分、よほどの好機が来ないとこちらも当てられないので、長いラウンドの中で少しずつその間合いとタイミングを測っていく、という戦い方だったんです。)

 

僕個人的には、大けがして帰ってこられるとその後の仕事の段取りに支障も出るし、無傷で帰ってきてくれる以前のスタイルも好きですけど・・・・・・もとい、僕個人的には、ぐちゃぐちゃしたドツキアイじゃなくて、当たるか当たらないかの間合いでの攻防の緊張感が試合開始から最後まで続く以前のスタイルも好きですけど。頭脳派、戦略派の打撃戦というか。

 

いずれにしても、新たな戦い方を使って結果も出せるようになった藤原は、年齢的にもいよいよベテランの円熟期に入ったということかもしれません。今後が楽しみです!

 

 

 

 

 

日常に戻って、翌々日仕事に出てきた藤原は朝礼のときに、

「これまで避けてきたことは、どこかで向き合わなければいけない時が来る。」

という話をみんなにしていました。

 

若いころ、アマチュア時代に修斗に出て思うように結果が出ず、当時何でもいいから試合に出たくてZSTに出てみたところ、そこからポンポンと勝ちを重ねてチャンピオンになり、DREAMにも参戦したりと、一躍トップファイターになってしまった藤原。

KOか一本かでの決着を重んじるZSTのスタイルが、当時の藤原の戦い方と合っていたから結果が出たともいえるし、今となって思えば、当時修斗でも勝てる戦い方を習得することをしないまま、今まで来ることになってしまったとも語っていました。

 

それが、ZST王者としてDREAMや修斗に参戦したときにも、スタンドでダウンを奪いながらも判定では負けを喫してしまうし、ドローの試合も「勝ちきれない」結果につながっていたのかもしれません。今回改めて、自分があえて重視してこなかった戦い方に取り組むことで、結果として自分が得意とする戦い方を活かせる結果になった。

藤原いわく、「ひょっとしたらこれは、若いころに結果が出なかったから、無意識で避けてきてしまっていたのかもしれない。KOか一本にこだわる、ということを言い訳にして、そこに取り組む時間と労力を惜しんでいただけかもしれない。避け続けて結果を出し続けるのも間違いではない。でも、避けてきたことにはどこかで早めに向き合ってしまったほうが、その後楽になるかもしれない。これは仕事でも同じことが言えると思う。」、と。

 

会社での藤原と、リングの上での藤原選手の両方を見ていると、余計この言葉がしみました。

 

思えば最近の藤原は、仕事の上でも言いにくいことをちゃんと言うし、以前なら得意でないことはできるだけやりたくないから他に振る、ということも多かったのですが、最近は他に振るよりも早いことや効率がいいことは、さっと自分で手を出す意識が増えたように感じます。それでいて、一人で仕事を抱え込みすぎてハマるようなこともなくなっていて、まわりの人をうまく活用している。

自分の得意なことに集中してこだわる愚直で不器用な姿勢ながら、一定以上の結果を出し続ける人間の魅力も、藤原からはすごく感じて、僕は好きなんですが、この一年、いろいろ試行錯誤して公私ともに成長したのかな。チャンピオンではなくなったことで、周りからは残念だねと言われるけど自分では意外と気楽になった、と言っていたから、チャンピオンベルトの重さに縛られていたのが、身軽になって自分のやるべきことに向き合えてこの一年とても充実していたのかな、と思いました。人間的にも新たな魅力を放っているように感じます。

 

 

僕も、他のスタッフも、「向き合わなければいけない避けてきたこと」って何だろう、と、考える良い機会になりました。

藤原が何かでレベルアップを見せるたびに、僕も負けずにレベルアップしたい、と、思います。

 

藤原のこれからの仕事も、格闘技も、本当にとても楽しみです。

 

 

 

 

 

 

最後におまけ。長尾迪写真館さんのフォトギャラリーで見つけました。

こんなかっこいい写真が撮れるようになりたいです。

 

 

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