2010/06/09
いや、長らくお待たせした。 第6回は3月上旬にアップしたから、もう3カ月ものご無沙汰になる。 実は、これもスピニングガレージの面々、およびオグラのコダワリが原因。 前回、予告したように、FGXは車検整備をやって、無事ナンバーも取得した。 4月半ばのことだ。 しかし、最後に残ったのは、テールエンドのマフラー問題だった。 この’88ゴルフには、かつて大流行したDTMタイプが装着されていた。 もちろん、これでは雰囲気台無し。 これを、GXらしさが最も強くアピールできる、出口が下を向いた純正タイプに変更しようということになっていた。 ところが、発注すれど、なかなかモノが届かなかったのである。

 
車検整備は、スピニングガレージ内では“てっちゃん”と呼ばれている中西メカの手で行なわれた。 ちなみに、彼のノート型パソコンの待ち受け画面は、あまり見たことのないボディカラーの電車が次々と現れては消える。 そう、中西メカはここ数年、顕在化し勢いを増してきた“鉄ちゃん”なのである。 “撮り鉄”か?

もとい。 FGXの整備は、まず状態をチェックし、やるべき項目を洗い出すことから始まった。 エンジンルームを点検し終えると、今度はクルマをリフトに乗せて下回りを調べていく。 この’88ゴルフは、もともと数年は放置されていたというクルマで、エンジンはかろうじてかかるものの、公道デビューは控えた方がいいという状態。 すぐにマイナートラブルが発生しそうな、そんな雰囲気を持つクルマだった。 ということで、中西メカが洗い出した項目は、多岐にわたるものだった。

エンジン関連では、オイル漏れしているヘッドカバーパッキン、オイルパンパッキンの交換、ベルト類の交換、電装のプラグ、プラグコード、ディストリビューターのローターおよびキャップの交換というところ。 ブレーキ関連は、フロントのディスク、パッド、ホース、そしてブレーキオイルの交換。 加えて、タイヤの交換。 サスペンションは、このプロジェクトがスタートしてからすぐ、ユーズドのザックス・スポーティングに変更しているので、新たな作業はなし。

エンドマフラーは塗装が剥がれて錆が出ていたものの、排気漏れはなく、とりあえず車検には問題がないということで、そのままに。 FGXに見合うエンドマフラーは、スピニングガレージでもなく、店長の田中さんが「それなら、折角だし、GX用の新品を取っちゃおう」とコダワリをみせたことから、交換は車検を取ってからということになった。 これが、後で響いてくることになるのだ。

クルマがリフトに載っていることから、手始めに行なわれたのはフロントのブレーキ関連の交換作業。 次いで、ベルト関連。 プーリー類の溝が錆を浮かせていたため、プーリーを一旦取り外す必要があったのだ。 入念に錆取りが行なわれたのはいうまでもない。 そして、エンジンオイルを抜いて、オイルパンパッキン、さらにヘッドカバーパッキン交換と進んでいく。 ついでながら、錆だらけだったヘッドカバーは、塗装済みの中古品と交換。 で、電装関連の交換。 サクサクと作業を進めた中西さんは、最後に,オイルフィルターを交換、新しいエンジンオイルを注入、またブレーキラインのエア抜きをやって、予定の作業を終了させた。

一方、タイヤの交換作業を進めていたのは、メカ見習いの、もうひとりの中西さんだ。 スピニングガレージ内では、“マイケル”というあだ名で呼ばれているが、その由来はまだ聞いていない。 しかし、なぜ、スピニングガレージ内ではあだ名で呼び合う習わしになっているかが分かる。 もし、誰かが「中西さん」と呼んだら、ふたりが「はい」と返事することになるわけで、 呼んだ人も呼ばれたふたりも煩わしいこと間違いない。 そういうことだ。

もう一回、もとい。 FGXのホイールは、スペシャルヘルパーの安達さんが探し出してきてくれた13インチのスチールホイール。 が、そのタイヤ、コンチエココンタクトは、もうガビガビ。 ゴムというよりは、樹脂というような硬さ。 要交換となっていた。 そこで、用意されたのがピレリのチンチュラートP4だ。 メカ見習いの中西さんは、その硬い硬いタイヤを外した後、ホイールにリムに発生していた錆を取る作業も行なって、新しいタイヤを組み込んだ。 もっとも苦労したのは、ホイールバランスだ。 あるホイールとタイヤは、組み付け位置を何度も変更した。 古いスチールホイールだからしょうがないといえばしょうがないのだが、どうしても、40gとか50gのウエイトを必要としたからだ。 この作業は、タイヤをリムに組み付けたまま回したり、あるいは外したりして、その度バランサーにかけるというもので、体力と時間を要する。 最終的には妥協することになってしまったのだが、メカ見習いの中西さんのその徹底的な追求ぶりには頭が下がった。 感謝!

テッチャンとマイケルの中西コンビが午前10時から進めてくれた車検整備は、こうしてその日の午後7時には予定していたすべての作業を終えていた。

後日、いよいよ車検、そして登録、ナンバー取得だ。 担当したのは、安達スペシャルヘルパー。 キャリアカーにFGXを載せて向かった先は、相模の陸運事務所。 スピニングガレージの名義になるから、本来は多摩の陸運事務所に向かうはずだが、聞けば多摩の方では車検予約が取れなかったそうで、そこで苦肉の策として、相模でいわゆる予備車検を受け、その書類を持って多摩に向かい、登録、ナンバーを取得することになったそうだ。

相模の陸運事務所の近くで、民間の予備検査場に入り、問題がないかをチェック。 いくつか小さな問題があったものの、これもなんなくクリアし、いよいよ本当の車検ラインに。 無事、オッケーのハンコをもらって、予備検査証をもらう。 それを携えて、多摩の陸運事務所に向かい、ついに登録。 こんな風に、我らがFGXはようやくナンバーを取得したのだ。

安達さんもニンマリ。 嬉しさは隠せない。 少なからず、FGXプロジェクトに関 わってきただけに、喜びもひとしおなのだ。

出口が下向きの、例のエンドマフラーがスピニングガレージに到着したのは、5月も下旬のことだ。 6月はじめのその交換作業は、てっちゃん、メカニックの中西さんが担当。 ここでオグラが初めて知ったのは、GX型とRV型では、キャタライザー後からセンターマフラーに至るパイプの径が異なること。 GX型の方がやや太いのだ。 中西さんはその辺のところはとっくに承知していて、在庫の中古のパイプをあらかじめ用意していた。 センターマフラーは、ストックしていた新品を使う。

作業そのものはチャチャッと進んだ。 さすがの中西さんで、エキゾースト系装着では要求される微妙な調整もなんなく済ませ、すぐに形が整った。 見事なものだ。  ただ、ちょっと驚かされたのが、FGX、実は車検後の1カ月半ほどで、不動車になってしまっていたことだ。 フュエルポンプが動かなくなってしまったのが原因と判明したから、中西さんはその交換作業も行なうことになる。

とまあ、色々あったけれど、オグラのFGXプロジェクトは、ここに無事完了した。 とはいえ、リポートはここでアッサリ終わるわけにはいかない。 スピニングガレージがFGXにかけたコスト、時間は、プロジェクトリーダーとしていわせてもらうが、相当なものになる。 だから、なんというか、もったいない。 リポートをもう1回、書きたいと思うのだ。 前回は、この第7回が最終回と予告したけれど、完成したなら試乗はマスト。 次回、今度こその最終回は、FGXの試乗インプレッションをお届けしようと思っているのだ。 乞う、ご期待!

小倉正樹

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