2010/10/24
やはりどうしてもお伝えしたくなって、この番外編を書くことにした。 ご存知のように、FGXプロジェクトのリポートは、7月に最終回を迎えて、終了した。 が、実は、その後もFGXの深化は進んでいた。 それは、スピニングガレージのスタッフの、並々ならぬゴルフ2への想いが反映されたものといえて、やはりどうしても書き残しておきたくなったのだ。

FGXプロジェクトの狙いは、初期型GXの旧車っぽさを、中・後期型のRVで気軽に楽しもうというものだ。 その背景には、GX型、そのオーナーへのリスペクトがあるし、もう一方には、どういう形にせよ(フェイクにせよ)、ゴルフ2を世に残していくという信念のようなものがある。 もし、プロジェクトに使われることがなければ、この’88年型のRVは、やがて廃車、解体の運命にあったことも確かなのだ。
だから、オグラはFGXが完成して、いよいよ試乗の運びとなった時は、喜びもひとしお。 本当に蘇るのかどうか疑問だったこのクルマを整備し、板金塗装し、さらには、細かい艤装の変更と、その過程の一部始終を見てきただけに、手間暇を掛けてきたことを知っているだけに、とても嬉しかったのだ。

整備を担当したのは、中西メカ(てっちゃんのほう)だ。 数年は放置されていたと思われるこのクルマの機械部分の状態を診断し、必要と判断した箇所をチャッチャカ直していった。 惜しみなく新品パーツに交換していくあたり、見ているオグラはビビッたものだが、「ここはやっといたほうが」と、アッサリとやっていた。
 
 
 
 

7月にオグラが試乗して、サスペンションがFGXの雰囲気に合わないかなと感想を伝えていたら、いつのまにか、ノーマルのスプリングとビルシュのブラックショックという組み合わせに替えられていたが、これも中西メカの仕業。

このプロジェクトがスタートしたころ、バンパーやドア、コンソールやラジオとかの、細々とした艤装の変更をやってくれたのが、スーパーヘルパーの安達さん。 車検を受けに行って、ナンバーを取得してくれたのも、安達さん。 本業は電気屋さんだそうだが、ゴルフ2に対する思い入れの強さは、スピニングの正社員にも負けるものではない。 だから、FGXとしての完成度を高めることについては、人一倍熱心だった。

オグラが気になっていたのは、シートやCピラーカバー、それにオートアンテナなどだ。 暫定ということで装着していたアブトのシートは、完成度が高まっていくなかで、違和感が大きくなっていた。 Cピラーカバーも、暫定ということで、GTI用と思われた黒色のものを付けたが、これも本来の白(アイボリー?)に変更すべき。 それに、本当に細かくて恐縮だが、オートアンテナはGXの場合、メッキタイプで、ブラックコーティングを施したものではない。 どうやら、安達さんはオグラ以上にその辺を気にしていたようなのだ。

したがって、安達さんが’88年式のCi(ブログ参照)を購入して、その部品の多くがGXと共通することを知ると、すぐさまそれらをFGXに移植することを考えたという。 実際、そう実行してしまう。 おかげで、FGXのシートは、ザックリとしたニットのようなグレーの表皮を持つものに代わり、Cピラーカバーは白いタイプに、アンテナはメッキタイプのものに変更されて、よりFGXとしての完成度を増したのである。 「ボクは、オリジナルかどうかは気にしないほうなんで」とは、本人の弁だが、自分のクルマから部品を外してまで、FGXの完成度を高めてくれるとは! そういうヤツなのである。

 
 
 
 

さて、オグラはおそらくもう一度、番外編を書くことになると思う。 こうして完成度を増したFGXの試乗を兼ねて、奥能登は二三味珈琲を訪ねたからだ。

小倉正樹

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