ノブ田中のブログ
スピニングガレージのノブ田中ブログ。
カートップのこんな記事を見ました。
僕の中では、「ちょうどいい人車一体感」がクルマの楽しさの軸になっているので、どんどん進化していくクルマたちに対してはちょっと抵抗があります。
「人間はそんなに数十年で進化してないんだから、クルマばっかり進化してたら人間はおいてけぼりになっちゃうよ」って感じてしまうんです。
そんな意味でいくと、今のゴルフは昔のゴルフとは車格的にももう1ランク違うクルマになっていますが、ロードスターだけはずっと、進化と熟成を両立していてすごいなー、って思います。ずっと気になる存在です。(今でも実家にNAロードスターは1台隠し持ってますが)
そうは言っても、新型は常に最速でなければいけないのか?ということは、ふと思うんです。
絶対的な速さは果たして走りの楽しさ、乗り手のドライビングの成長にまっすぐつながるのか、という視点でそれを疑問に思って見ると、ひょっとしたらロードスターはものすごく進化しているのかもしれないと思うんです。
本当に”スペックだけでは測れない運動性能”があって、乗り手を育ててくれるような車に仕上がっているなら、ゴルフⅡのGTIのような名車になる可能性がありますよね。
だって、だれもゴルフ2の遅さを責める人っていないじゃないですか。あれで速く楽しく走れる人であることが、ものすごく奥深くて楽しいわけで。
そんな切り口で見るとこのロードスターの、クルマの挙動や乗り手との人車一体感、そしてそれを支えるテクノロジーと開発理念の部分をぐいぐいとえぐった評論を、誰か濃ーくやってくれないかなぁ。
なんなら僕も1台買ってみて長期レポートでも・・・と思わなくもないのですが、今の僕だと自転車積めないクルマは乗ることがまずないからなぁ(笑)
3日間行ってきました、第一回オートモビルカウンシル。
慣れない経験だったので、クタクタになって全身あちこちが痛いです。情けなやー。
(ほとんど自分はブースにつきっきりであまり遊べなかったのですが、いろいろ写真は撮ってきたのでこちらからどうぞー)
毎朝会場入りすると、このすごい景色のちょうど真ん中あたりにゴルフ2が並ぶ様子が見えて、超感激でした!
前日準備のときに僕が心配していたようなことは全然なくて、来場者さんの、客層も、ゴルフ2に対する反応も、僕の想像をはるかに超える良さで最高でした!!
3日間を通して来場者さんを見ていて感じたのは、
みんな笑顔で過ごしている、
みんな車を丁寧に扱って見ていってくれる、
昔の思い出と、これからのヘリテージカーについてを、みんな思い思いに語りあっている。(口の悪い話が全然聞こえてきませんでした)
一緒に来る子供ちゃんたちが、みんな車に詳しい!(僕らが子供のときは、けっこうみんなこうだったよなー)
そんなことを肌で感じて、このイベントが継続して成功していければ、きっと日本の自動車文化も安心だな、と思いました。何をおおげさな、って感じもするかもしれませんが、現場にずっと居た者の正直な感想です。これほど雰囲気が荒れずに前向きに将来をイメージできる大きなイベントって、他に見当たらない、って思ったんです。
難しいことは僕には語れませんし、そういったことはいろんなメディアでレポートされていると思いますので、それを見てみてください。僕がここで書けるのは、僕の個人的な視点での感想とご報告だけなので(^^;;
スピニングガレージのお客さんたちも、たくさん来場してくれたのですが、みなさん話に出てきたのが、
スペースがゆったりしていて、音もなくて静かでいい。
(星野歯科院長は、期間限定の美術館の展示を見に来ているようでいい。静かだから他のお客さんの会話も漏れ聞こえてきて、その会話の内容もまた深くて楽しい、って言ってましたねw)
周りの来場者がDisったりわけわかんない批判したり、みたいな感じ悪い人がまったくいないのがいい!
人がぎゅうぎゅうにならないので、じっくりクルマを眺められていい。
キャンギャルとカメコがいないのもいい。
ブースの人と落ち着いてきちんと会話できるのもいい。
隣のお客さんと自然に意気投合して面白い話がきけたりしたのもいい。
という内容でした。高めだとSNS等で言われていた入場料も、実際に来ている人たちとの話だと、この雰囲気でこの価格は安い、って。
これも、来ないとわからないことですよね。来られなかったかた、次回はぜひ。
イベントは集客数だ、とばかりに、タダ券を乱発したり、キャンギャル頼みやノベルティ頼りになってしまうと、必ずこの雰囲気にはならなくなると思いますので、この「入場料を高めに設定して入場者数を限定することで、来場者満足を最大化しよう」という考え方が、実際に来た人のココロにはしっかり刺さってた、っていうことですかね。
面白いな、と僕が感じたのは、来ているお客さんはその辺のことを自然に感じとっているのに、クルマ業界の人とかメディアの人に限って、「来場者数少なくない?大丈夫かね」とか「会場スカスカだな。出展者集められなかったのか?」とか、いろいろ的外れなことを言ってたりしました。業界常識というか先入観って、怖いものです。そういう人には、このイベントはこうすべくしてこうなってるんですよ、キャンギャル禁止音出し禁止で、タダ券もまかないし、チケットも数量限定だったりするし、なんていう説明をしていたりしました。それで、なるほどねーなんて話がはずんだりもするので、それはそれで楽しかったのですが、帰宅して思い返すと、なんか釈然としないなーっていう気持ちが出ました。業界の人とかメディアの人なら、そのイベントのコンセプトくらい頭に入れてから来るべきなんじゃないの?お客さんの理解度に追いつけてない、って、プロとして頭膠着してんじゃないの?って思わなくもないなぁと。
まあ、第一回だからこそそうなるんでしょうけど。また、業界内の人だからこそ理解しづらいものがある、というのも、これから新しいことを社会に提案しようというイベントならではの構図なのかな、とも思いましたが。真相はどうなんでしょうね。
今後もこの雰囲気の良さを活かして、敷居は下げ、客層も出展者層も荒れないようにするには、並大抵の努力じゃできないだろうとは思いますが、自然に回を重ねてイベントの規模が大きくなっていけば、きっと面白いことになるんだろうなーと思います。ちょうど、東京蚤の市がそんな感じですよね。あれだけ爆発的に人が集まるのに、全然荒れない。
何はともあれ、3日間ありがとうございました!
次回はもうちょっとメンバーを増やして、僕も現場で遊べるようにしたいです。(どうも貧乏性なので、こういうところにいると根詰めちゃいます)
最後に、実際に出展してみて、僕が勝手に感じたうちの店がここに出る意義というか、久保さんにこんなことを期待されていたのかなぁと感じる部分が、
・ヤングタイマー(ヤングクラシック、ライト旧車)のメイン車種として、この場に当たり前にゴルフ2がいる光景を実績として作ること。
・オートモビルカウンシルの中でも、ヘリテージカーが即売されている、というのは大事なコンセプトなので、実際にこの会場で実売された(ゴルフ2の価格帯だと他のヘリテージカーに比べて買いやすいので)実績を作ること。
・うちの店のことをまだ知らないけれどもゴルフ2に興味のある人が、まだたくさんいるんだ、というのを僕が知ること(おそらく久保さんはこれを僕に一番伝えたかったんだと思うんですが、日本唯一のゴルフ2専門店だし、どんな広告媒体に出してももう新規集客なんてできないくらいになってしまっているので、潜在顧客が隠れてるイベントなんて、日本中探してももうどこにもないだろう、っていう先入観を持ってしまっていました)
・このイベントの空気を感じて、僕がうちの店の10年20年先のコンセプトをイメージすること。
・うちがオートモビルカウンシルに出展してこんなに良かったよ、っていう話をできることで、来年以降ヤングクラシックを扱うお店が出展してきてくれること。(本当にそんな助けになれれば、これほど光栄なことはないです!)
・・・なんていうことを思いました。また思い出したら後で書き足します(笑)。
ほんとに、今回出展できて、ゴルフ2が希少な立ち位置にあるクルマなんだ、ということも改めて実感しました。いつの間にか他のヤングタイマーたちは相場が高騰しているし。
これから先10年間でまずは、極力ゴルフ2の台数を減らさないように全般的なコンディションを底上げして、相場が高騰しないように食い止めつつも、値段がつかないから捨てる、という構造にはならないように。また、従来通り中古車としての流通はありながらも、同時に、コンディション極上のクルマはヘリテージカーとしての相応な相場も形成されるように、”きちんと手をかけて仕上げればきちんと売れる”ような市場が作られていくことを目指さなくてはいけないな、と思いました。
たまに、唯一のゴルフ2専門店としての自負とか責任をもっと持て的な話を振られると、そんなものはないしそんなことを押しつけられるのはハタ迷惑だ、と思ってきましたし、今でもそんな偉そうなことを自分から発信するのは嫌いですが、これからのゴルフ2の市場形成に積極的に関わろうというお店が他になくなってしまっている現在、誰かがその道筋をつけてくれるわけではないので、自分たちでそこをイメージして道を作らないといけないんだよな、という風には考えるようになりました。あくまでそこには自負も責任も持ちませんが。そこまで器はでかくありませんので、人からそんなことを言われると僕はあっという間にそれに押しつぶされます。
でも、自分の中ではそれを目指してライフワークとしていけたらいいな、とは思います。自分の好きな車と関わって引退するまで食っていけたらいいな、というくらいのおぼろげなイメージだったのが、オートモビルカウンシルに来るような超旧車に理解のある層の人たちがみんな、ゴルフ2はいいよねー、懐かしいな、また乗りたいね、と話されるのを見て、「今でも戦前のクルマを動かすことを仕事にしている工場があるんだから、うちもずっと続けられる可能性は高い。ひょっとしたら、日本に残るゴルフ2たちよりも僕自身がこの世からいなくなる方が先かも」って、思ったんです。
また次回にむけて、がんばろっと。
Automobile Councilという、今回第一回目の開催となるイベントに、出展するべく前日搬入してきました。
これまでの展示会系のイベントとは一味もふた味も違う、自動車文化を根づかせようという、このAutomobile Council。
CGの久保さんに、熱心に誘っていただいたので(逆らえないので・笑)、清水の舞台から飛び降りるつもりで参加を決めましたが、やっぱり周りがすごいクルマとすごいお店ばっかなので、めっちゃビビりまくり。気おくれしかしません。
でももう、ここまで来ちゃったんだから、腹をくくってがんばらないと。
ヘリテージカー専業店の中の一軒として、うちの店がふさわしいかどうかはさておき、ここに並ぶゴルフ2が、「80年代を代表するヘリテージカー」として来場者のみなさんに受け入れてもらえるのか、アウェー感が漂って残念な雰囲気になってしまうのか、その後者にだけはならないように、がんばらねば。
ブースでも一切余計なことはせず、ひたすらゴルフ2の現車だけが目立つように。そしてここにゴルフ2があることの意味が来場者さんにきちんと伝わるように、丁寧にお話ししよう、と思いました。うちの、店としてのアピールは、今回は二の次です。
そんなことを考えつつもまずは、うちはみんな自走で持ち込んでるので、相模原から幕張まで走ってくる間に結構キタナくなってしまっていまして(笑)、そこからして、トラック搬入している周りとは違うんですけどね。高速でついた虫とかタイヤの汚れを現地で落とすところから始めます。
出展車搬入口から入ろうとしたときも、スタッフのかたの車はあっちにとめてください、とガードマンの人に制止されるという予想通りのネタもいただきました(^^;;
「いえこれ、出展車ですからー!」
まぁそこも、余裕で自走できるのがヤングクラシックな車の魅力だぞ、と!
搬入は僕と親父と、藤原選手とジャンボでやりましたが、3人とも搬入と掃除が終わったら、ほかの車たちに興味深々でした。
親父はフルレストアされたセドリックを、独身時代に乗ってたなぁとか言いながら見てたし(僕はそんな親父の昔話には興味なしw)、
藤原はやっぱりデザイン的に琴線にふれるカワイイ車を見ては、これ2000万円もしますよーってびびってるし、
ジャンボは、ロータスF1のセナ搭乗機を見て、この車の現車がこんな近くで見れるなんて、今日仕事出てきてよかったっす、って。1985年なんてお前が生まれる10年前だろー!相変わらず興味の対象が二回りくらい年齢詐称気味です。
僕はそんなみんなを尻目に、欲しいのはシムカとかスバル360とか。
みんな興味の対象も違うし、おじいちゃんと孫くらい年齢が離れていますが、こうして好き勝手に好きな車の話ができるのも、いいことですね。
公式サイトのカメラマンさんにも、かっこよく一枚撮っていただいて、掲載されていました。
とても楽しみです!
ちょいと仕事の用事にかこつけて、あちこち回り道しながら、陸運局へ。書類だけの仕事で現車を持ち込まなくていい用事だったので。
車屋が自転車で陸運局に来る図って、ちょっと斬新?(笑)
手に入れてから一番出動機会が少ない、GRAPHITE DESIGNのMETEOR(GDR New メテオ)ですが、やっと数百キロ走りました。
今持っているマシンのうち、この自転車にだけは、電動変速機のDi2という今流行りの最新機構(^^;;を搭載しています。
でもなんかこの、Di2にはなかなかなじめなくて。
とはいっても、だいぶDi2の操作には慣れてきたので、どうやらなじめないのではなくて、電動変速の機構自体が苦手なんじゃないか、と思うようになりました。
自転車の変速機は、レバーでワイヤーを引っ張って変速機を動かしています。なので、レバーを動かすことで、ワイヤーを伝わって変速機の動きやばねの重さ、チェーンが掛かって動く振動が、指先に感じられます。
なのですが、電動変速は、レバーがスイッチになっていて、そのスイッチが押されることで変速機がモーターで動きます。レース用の機材としては、シフトミスが少なく、変速に要する時間も短く、握力もあまり使わなくて済むので、電動化してしまったほうが速く走れるようになるそうです。
でもこれが僕にとっては気持ち悪いみたいで、というか気持ちよさが足りないといいましょうか。
ちょうど、ゴルフ5のGTI以降、MTで走るよりもDSGで走ったほうがサーキットのラップタイムが速くなりましたが、そんなことと印象がかぶるのかなぁと。
パドルシフトすれば思い通りにシフトチェンジできるし、変速はもちろん機械がやってくれるから人間がやるよりも速いんだけど、僕にとっては、MTのシフトレバーを動かすと、掌にミッションオイルやギヤが動く感触が伝わってくるのが、いいんです。
今年になって、全く同じ仕様のゴルフ5のGTIの、MTとDSG両方でサーキットを走ってみて、そんなことを強く思いました。スイッチでポンと変速してくれるクルマよりも、自分の手とギヤからタイヤまですべてつながっているクルマのほうが、人車一体感があって気持ちがいい。そこにはラップタイムにしてコンマ数秒の差はあるけど、それでもDSGよりMTで走るほうがいい。
速さは正義ではあるけれども、その正義とは違う軸の正しさも、またあると思うんです。
プロのレーサー同士が戦うなら、機材の差でコンマ数秒違ってしまえば大変な戦力差ですが、素人が走るなら、違うところでそのコンマ数秒を削るくらいの工夫の余地や、そもそものスキルの伸びしろは、いくらでもあるはずです。
自転車にしろクルマにしろ、趣味としてレースに取り組むなら、少なくないお金と時間を投入するわけですから、単に速さという結果を求めるよりも、もっと幅広い充実感を追求したいですよね。
・・・・・・って、クルマに例えるとわかっちゃいるんですが、自転車になると初心者なので、何とか速さを費用対効果のいいお金の使い方で買えないかなぁとか、すぐ思っちゃうんですよね。
Di2外そうかなー。
『ソニー損保 presents クルマ★時間』
クルマに対する独自のこだわりや思い入れ、忘れられない想い出話など、クルマ好きなゲストと過ごす“クルマ★時間”をお届けします。
第95回 田中貴(サニーデイ・サービス) vol.1
http://www.tfm.co.jp/kuruma/sp/index.php…
第96回 田中貴(サニーデイ・サービス) vol.2
http://www.tfm.co.jp/kuruma/sp/index.php…
ベーシストでありながらラーメン本も出したりして、マルチ活躍中の田中さん(ほんとにいろんなメディアでよく見ます!)ですが、シロッコ1に乗っているのでクルマ系のメディア取材も。クルマつながりでさらに活動の幅が増えたりして!